静岡駅南のビルの一角で、「女性も入りやすいラーメン店舗」をコンセプトとした改装工事の設計を行いました。
当初、蕎麦屋としてスタートした計画でしたが、施主の意向によりラーメン店舗の計画へ変更となりました。
蕎麦屋の時に構想していた、清潔感のある和モダンのイメージはそのまま残し、打合せを進めました。
設計にあたり、下記を意識しました。
・女性も入店しやすい、明るく清潔感があり、落ち着いた空間づくり
・客席数を確保しつつも圧迫感を感じさせない工夫
・少人数の従業員でも営業できる効率の良い作業動線
・居心地のよい客席
・収納空間の確保
・正面大通りへのアピール
内装色は、BIMのパースを駆使し、施主と何度も協議して選定しました。
壁面、造作等は空間の広さと清潔感を出すために明るい色を採用し、床、巾木は汚れの目立ちにくさを優先して、濃い色の木調としました。
カウンターや棚、柱の装飾等には木材を使用してやわらかい印象を持たせ、アクセントカラーとして座面には黄色の生地を採用しました。
客席の寸法・間隔の検討には、実際のラーメン店舗を視察し、最適な寸法を提案しました。
8.5坪の客席空間を広く感じさせるため、ファサードには店内外が程よく繋がる格子を採用し、天井には印象的なペンダント照明を取付け、上へ目線を誘導することで圧迫感を軽減しました。
ペンダント照明は木製のため、ファサードの格子と相性が良く、外から見た雰囲気を引き立てます。
お客様の動線と、厨房を行き来する従業員の動線が煩雑にならないような客席配置としております。
客席カウンターの間に設けた50センチの通路から、直接、料理を提供できます。
客席カウンターは、風避けと、道路からの視線を遮る役割を兼ねて、側板を立ち上げ、各客席には棚と鞄掛け、コンセント、調味料置き場を取付け、過ごしやすさに配慮しました。
造作収納は、柱と同一仕上げにすることで、雰囲気を壊さずに収納量を確保しました。
こちらの仕上がりもBIMパースでイメージの共有を行いながら決定しました。
ファサードには内照パネルを設置し、夜も目を引く工夫をしました。
内照パネルは現地で見やすい高さを検討し、ガラス面に極力近づけて設置することで反射を少なくしました。
店内にはダングループBOSSの直筆の趣ある手書きのメニューが飾られ、しずるならではのこだわりが綴られています。
他のグループ店舗でも素敵なスケッチや店名を手掛けており、地域に馴染む雰囲気づくりが素晴らしいと思います。
ラーメンの種類も多く、小どんぶりやデザートもあり、どれも美味しいです。
静岡に住む人にも、静岡を訪れた人にも愛される店舗となりますように。
設計・監理担当:豊田・小倉
文章担当:小倉
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